親権者とならなかった親が離婚時に子供と面会・交流が許されるケースとは?

離婚と子供

面会交流が許されるケースはどのようなものがあるか?

親権者とならなかった親が子供に面会・交流するための方法にはどのようなものがあるでしょうか?

実際に非監護親が会って交流する場合には、頻度、日時、場所、子が幼い場合の受渡しの方法・場所、宿泊の有無、プレゼントの渡し方、実施日の変更、第三者の立会いや監護親の付添い、監護親との連絡方法、費用負担など、事案に応じて、さまざまな形の面会・交流が命じられます。

ここでは事例・判例を交えて面会・交流が許されたケースについて説明していきます。

大阪高裁平成22年7月23日決定事例(判例)

本決定は面会交流の頻度・時間を段階的に増加させる内容の面会交流を命じたものです。

【事実】

夫と妻は2007年に婚姻し、2008年、子が生まれました。婚姻当初から夫婦仲が悪く、妻は実家で出産後、自宅に戻りましたが、夫と寝室を別にし、帰宅の遅い夫が子の顔を見に部屋に入ることを快く思っていませんでした。同年中に、妻は子とともに自宅を出て実家に戻り、以後、別居が続きました。別居後、3、4回、夫は子と妻と3人で実家近くの喫茶店で1時間半程度会いましたが、妻は拒否的で、その後、夫は子と会うことができていませんでした。

2009年、妻は離婚調停を申し立て、夫は子との面会交流の調停を申し立てましたが、いずれも不調となり、前者については、2010年和解離婚が成立し、後者については、同年4月、面会交流を命じる審判が出されました。夫は頻度・回数の増加・保育園の参観などを求めて抗告し、妻は、原審における試行的面会交流も頑なに拒んでおり、子が小学生になるまで面会交流をさせる義務がないとして抗告しました。

【判旨】

「面会交流は基本的に子の福祉のために実施するものであり、長期間非監護親である父との面会交流が実現しなかったという事実、子の年齢、円満な面会交流実施の可能性などを踏まえて、頻度等を決定するべきであって、これらの事情を考慮して、面会交流の頻度や時間を段階的に増加させる原審判は相当である。
……父は、子のために冷静に段階を踏んで面会交流を実施し、子との信頼関係を醸成するよう心がけるべきである。なお、速やかに父と子の面会交流の機会を確保するのが相当であるから、面会交流の開始を平成22年8月からとする」とした上で、面会交流の要領のうち、面会交流の回数・日時に関して、下記の内容を命じた。

① 2010年8月、10月、12月、2011年2月の各第2日曜日の10時~11時
② 2011年4月以降2012年2月までの偶数月の各第2日曜日の10時~12時
③ 2012年3月以降2013年2月までの各月の第2日曜日の10時~14時
④ 2015年3月以降毎年各月の第2日曜日の10時~16時と頻度や時間を段階的に増やす

判例・事例のまとめ

本来ならば、頻度・時間の増加などは、事情の一番わかっている父母が協議して変更していくべきです。しかし、本件のように父母間の不信感が非常に強い場合には、次善の方法 として、非監護親と子との信頼関係の醸成に伴って増加することをあらかじめ定めておくことも有用な場合があります。ただし、将来事情が変わった場合には、変更が認められる場合があります。