離婚相手が養育費の支払いを途中で拒否してきた場合はどうしたらよい?

離婚とお金・財産

離婚時に養育費の支払いについて取り決めた方の中で、その後のトラブルとして起こりやすいのが「養育費が支払われなくなること」です。

養育費は子供を育てる為に必要なお金です。支払われなくなると困る。そんな時にはどうしたらよいのか?今回は養育費の支払いを(途中で)拒否された際の対処法を説明いたします。

 

「養育費とは」「養育費の相場」など養育費について詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。

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養育費の取り決め

養育費の取り決めについて

養育費の取り決めの際にもっとも多いケースが夫婦で話し合い、金額や支払い方法などの取り決めを行なうケースかと思われます。

これは「協議離婚」「調停離婚」「裁判離婚」の離婚種別による点が大きいと思われます。離婚種別の中でも、”話し合いによる合意により、届けを出して離婚成立となる”協議離婚の割合は厚生労働省のデータによると9割弱となっています。

厚生労働省「離婚に関する統計」の概況 (2)離婚の種類別にみた離婚のデータを参考

協議離婚に関して詳しくはこちらも参考にしてください。

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養育費の取り決め時に重要な事は、月々の支払い金額や支払い方法など取り決めた内容を文章などでしっかりと記録しておくことですが、厚生労働省のデータによると、養育費の取り決めをしたなかで、文書なしで取り決めを行なったケースの率は26.3%となっておりました。

平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告 17 養育費の状況よりデータ参照

取り決めた養育費が支払われない…

上記の厚生労働省の調査結果によると、離婚後「養育費を過去に受け取ったことがある(今は受け取っていない)」人が15.5%となっており、過去には養育費が支払われていても、なにかしらの理由で養育費の支払われなくなるトラブルが一定数あるようです。

もしも養育費が途中で支払われなくなってしまったら,そもそもその行為は許されるのか?対応はどうすればよいか?こちらに関して詳しく説明いたします。

養育費が途中で支払われなくなった時の対処

養育費を途中で支払い拒否は許されるの?

養育費の支払いを途中で支払い拒否は許されるのか?という問題は、「養育費は子供を育てていくうえで非常に大切な収入源であるため、子供が成人を迎えるか、自立するまで支払う」という事実がぶれることはないため、特別な理由がない限りは許されないということになると思われます。ただ特別な理由があるときには減額などが認められるケースも存在します。

養育費を支払いを拒否された時に、ポイントとなるのが養育費について夫婦間でどのように取り決めが行なわれていたか?という点になります。

離婚時に養育費の支払いを取り決めた「離婚公正証書」や「調停調書」「和解調書」「判決書」などの「債務名義」がある場合には、調停をせずに、すぐに相手の財産や給料を差し押さえることができます。

上記のような「債務名義」がない場合(協議離婚で口頭のみで養育費の合意をし、書面にしなかった場合、書面を作成しても公正証書にしなかった場合)には、家庭裁判所で「養育費調停」を申し立てる必要があります。

強制執行を行なう場合

相手が養育費の未払いを起こしたとき、こちらに「債務名義」があれば相手の資産や給料を強制執行≒差し押さえすることにより、養育費を強制的に支払わせることができます。

差し押さえ対象

養育費が未払いになったときに差し押さえ可能となる対象は、具体的には以下のような「相手の財産」です。

  • 給料、ボーナス
  • 退職金
  • 預貯金
  • 現金
  • 生命保険
  • 投資信託
  • 株式
  • 不動産
  • 時計、宝石など

差し押さえの方法

差し押さえの申し立て後,裁判所が債権差押命令を出し、照会書面と一緒に銀行などの第三債務者に送達されて、第三債務者から照会への回答が返ってきます。その後、債務者(養育費の不払いを起こしている本人)にも差押命令書が送達されます。

その後、相手の勤務先会社や銀行、生命保険会社などと話をして、給料や預貯金、生命保険などから直接、差押え分を払ってもらうことが可能となります。

差し押さえの申し立てに必要な書類

債務名義 公正証書や調停調書、判決書など
執行文 裁判所や公証役場に申請をして取得
送達証明書 裁判所や公証役場に申請をして取得

①債権差押え命令申立書、②当事者目録、③請求債権目録、④差押え債権目録という書類を作成し、銀行や生命保険会社、勤務先会社の商業登記簿謄本をつけて申し立てをします。この際に「陳述催告の申立書」をつけておきましょう。これをつけておけば、裁判所が勤務先の会社や銀行などに、債権があるかどうかや、ある場合に支払い意思があるかどうかを照会してくれて、回答をもらうことができます。

まとめ

相手側の一方的な都合で養育費を未払いにされたとしても安心してください。法律的に回収する手段がいくつもあるので諦める必要はありません。

このような際には離婚問題に強い弁護士など法律のプロに相談してみるのもよいと編集部では考えております。